5本指のシューズ

セーフウェー・クラシック優勝、今季の宮里藍選手は「足」にこだわりを持っている。
昨オフ、ゴルフシューズを履いていて「地面からの感覚が伝わりにくい」と話した時、メンタルコーチのピア・ニールソン氏から「靴下を脱いではだしでショットしてみたら」とアドバイスされたのがきっかけになった。もちろん「はだしで打ったことなんてなかった」が、10本の指で芝をぎゅっとつかんでクラブを振り抜くと「めちゃめちゃいいショットが出たんです」と言う。さらに、山本邦子トレーナーに「はだしのほうがストレッチ効果がある」と聞き、今春には同トレーナーいち押しのイタリア製5本指シューズ ビブラムを購入した。5本指ソックスのように指を自由に動かすことができ、よりはだしに近い感覚で歩いたり走ったりすることができるすぐれもの。しっかりしたゴム底のため外で履いても足の裏を傷つけることがなく、はだしが禁じられている練習場でも使える。今では宿泊先のホテル内にあるジムだけではなく、ウオーキングやランニングの際にも愛用している。足へのこだわりはまだある。これまで海外ブランドのスニーカーでランニングをしていたが、今年からアシックス製にしただけで「筋肉痛がなくなった」と宮里自身が驚いた効果があった。いいと聞いたものを積極的に取り入れる姿勢は徹底している。より足の感覚が敏感になったのか、今や「足の指先にセンサーがついているみたいに、ギュッと地面をつかむような感覚が分かるようになった」という宮里藍選手。大柄な体格でバンバン飛ばす米ツアーメンバーに比べて飛距離は劣るが、長いクラブでもピンに絡める正確無比のショットは、ビブラム fivefingersへのこだわりから生まれているんですね。